「チーム」の喜びは何にも勝る

2023年11月5日、オリックスバファローズを7ー1で下し、阪神タイガースが38年ぶりに日本シリーズを制覇した。阪神ファンの私(※実は、私のペンネームも元を辿れば阪神タイガースに行き着く)はもちろん18:30から試合を観戦し見守っていた

最後、ノイジー選手がレフトフライをグラブにおさめた瞬間、ベンチから選手たちが飛び出し、マウンド上で岩崎投手を中心に喜びを爆発させていた。とても感動的なシーンだった

 

このシーンを見て再認識したことは、チームで喜びを分かち合う瞬間は、何事にも代え難い、ということだ

私も小学生から大学生まで野球等のチームスポーツに取り組んでいた。敗北を喫し、目標には届かず志半ばで引退することもままあった。しかし、数回、本当に数回だけ、自分たちの目標、例えばインハイやインカレに出場を決めるとか、ジャイアントキリングを成し遂げることも経験した

正直、その瞬間の喜びは、20数年の人生の中で指折りのものだし、個人で成し遂げたこと(受験で難関高校・大学に合格する、良い企業に就職する、営業で良い成績を挙げる等)とは全く比較にならない。例え自分がレギュラーメンバーではなく、途中出場するほどの実力しか無かったとしても、喜びは変わらない

 

チームだからこそ、自分の思うようにいかないことばかりだし、時には衝突することもあるし、個人では発生しない問題に直面する

 

それでも「チーム」だからこそ分かち合える喜びは、その一瞬だけで美しい思い出として自分の中に残り続け、支えてくれる。その一瞬のおかげで生きていける。阪神の優勝シーンを見て、そのようなことを思った

 

これからの長い人生、美しい瞬間を創っていきたい

焼肉のたれ 万能調味料説

今日はスペアリブが安かったので、スペアリブの赤ワイン煮込みを作ることにした。実は、昨年にもスペアリブの赤ワイン煮込みを作ったことがある。その時は赤ワインの尖った酸味が肉に染み込んでしまい、正直美味しくなく、苦い思い出がある

 

そこで前回の反省を生かして、赤ワインは前回の720ml⇒250mlに変更+足りない分は水で補うことにした。まずは、スペアリブ(以降、肉)全体にまんべんなく塩を振り、とろみをつけるために肉に小麦粉をまぶす。肉の表面を焼いたら、串切りにしておいた玉ねぎを鍋に追加、肉と玉ねぎを赤ワイン+水で煮込む(ちなみに私の家では煮込み料理の時にはストゥブの鍋を使っている)

www.zwilling.com

30分ほど煮込んだところで味見をしたところ、予想が当たり、尖った酸味は無く食べやすく、スープも飲みやすい。しかしながら、赤ワインと肉から出た出汁のほのかな味しかせず、旨味が少ないという問題があった。どうしたものかと考え、冷蔵庫を探したときに目に付いたのが、「戸村本店の焼肉のたれ」www.tomura.com

スープにこの焼肉のたれを大匙1~2杯程度入れたところ大当たり。スープの旨味が増した。水かさが少なくなってきたので水も追加、爽やかな酸味をプラスするためケチャップも少々(大匙1~1.5杯くらい)追加し、20分煮込む。無事、スペアリブの赤ワイン煮込みが完成した

 

今回は、前回と違って赤ワインの香りありつつも、肉もスープも旨味が前面に出ており、ほんのりケチャップの酸味あり、非常に美味しく作ることが出来た。個人的には焼肉のたれを入れたことが成功要因だと考えている

なぜ焼肉のたれを入れたところ美味しくなったのか、正直良くわからないが、しょうゆ・ニンニク・味噌と言った日本人好みの調味料に加え、リンゴ・バナナなどが加わった複雑でコクのある深い味わいが良い影響を与えているのではないだろうか(「スペアリブ 焼肉のたれ」で調べてみると煮込み料理がいくつか見つかったので、同じことを考えた人はいるらしい)

 

これまでも、何か迷ったときにとりあえず焼肉のたれで炒めるか、といった気持ちで料理をしており失敗した記憶がないので、焼肉のたれを使えば大体美味しい料理が作れると思っている。焼肉のたれは万能調味料なのだ

 

読書録|巨人たちの星

ジェイムズ・P・ホーガンのデビュー作かつ代表作であり、ハードSFの金字塔『星を継ぐもの』シリーズの第三作目『巨人たちの星』を読了。ネタバレも若干含みつつ、感想を述べたい

www.tsogen.co.jp

 

ハードSFのジャンルにふさわしくストーリー全体に科学的態度・科学的論理整合が取られている点に関して、『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』とは同じものの、今作は、前作までとは大きく異なり”宇宙戦争”感を帯びた小説であった

 

あらすじは、「2,500万年前に惑星ミネルヴァから”ジャイスター”に脱出したガニメアンと、5万年前の惑星ミネルヴァにおける大戦争の生き残りの末裔であり、ガニメアンによって救出されジャイスタ―”系”に連れてこられたジュヴレン人が登場する。このジュヴレン人は、ガニメアンの庇護下で着々と文明を復旧・進化させ、一見ガニメアンに従っている風ではあったが、その実、寝首を掻くつもり満々であった。そこに気づいた、ガニメアンと地球人が協力して、何とかジュヴレン人を出し抜き、彼らを撃退する」といった感じである

 

誰かの生き死にが発生するわけではないものの、ジュヴレン人vsガニメアン&地球人の心理戦はなかなかリアリティがあってしびれるものがある。何にリアリティがあるかと言うと、ガニメアンのその生命の成り立ちから相手の裏をかくといった発想がなかなか出づらい状況を具に描き出し、その上でハント、ダンチェッカーら地球人が、戦争の歴史をたどってきた人類らしく、ジュヴレン人の心理を想像しガニメアンをサポートするシーン一連である。読みごたえがあって面白い

 

相変わらず、専門用語が多く登場するので難解なシーンもあるが、翻訳が素晴らしく基本的にはスッと頭に入ってくるので、関心あれば読んでほしい

思ってたいけばなと違ってた|第104回 草月いけばな展

妻に誘われ、草月いけばな展を鑑賞してきた。妻の同僚がいけばなを展示しているというのだ。いけばなには関心を持ったことが無かったが、折角の機会ということで足を運んだという経緯である。

鑑賞してきた展示会はは、日本橋高島屋で開催されている第104回 草月いけばな展「What’s SOGETSU? 草月ってなんだろう」である。

www.takashimaya.co.jp

 

てっきり光源が暗めの厳かな雰囲気で、誰もが思い浮かべるような”いけばな”が置いてあり、着物の女性が説明をされるような展示会だと思っていたのだが、全然違った。とてもガヤガヤしていたし、”花”でないものも数多くあった。

展示会エリアは明るめの基調で統一されていた。そして展示された”いけばな”は流木でできていたり、プラスチックが取り入れられていたり、乾燥した花が使われていたり、毒々しくもあったり、派手なものばかりであった。お客さんも年配の女性が多いのかと思いきや(実際多かったのだが)、若年層もいたり、何より外国人の方が多数来ていた。

 

まったく想定していた”いけばな”と違っていたため、私自身の”いけばな”のイメージが大きく変わった展示会であった。自分の想いを前面に押し出して、形式から離れて個々人の個性を発揮することに主眼が移り変わっているのかもしれない。少なくとも私はそのように感じた。

少し自分の仕事に自信を持てるようになった話

内向きの話

 

常々、自分の仕事は何を生み出しているのだろうかと疑問に思う。調査・企画系の仕事に携わっているため、実際にモノづくりをしたり、売ったりした経験はない。ネット上では、私が携わる職業を”虚業”と称する人もいるようだ

 

実際、お客さんが進むべきと考える方向を示唆し、そのために実施すべき事項、資源の分配を考えてばかり。それをお客さんにプレゼンして、納得してもらうことが仕事なので、”成果物”はないし、虚業と言われることも理解できる(その上、自分らの検討違いでお客さんが将来的に損失を被ることもあるが、我々はその責任は負わず、損失もないので、嫌われることもある)

 

そんな話を、製薬企業に勤める友人に吐露したところ、その友人も自分も創薬に関わっているものの、薬を作っている感覚はないよと言っていた(薬を作るのには10年~20年と果てしない時間がかかるのだ)。その上私の仕事に対して、企画もものづくりの工程の一つなのだから、ものづくりなんじゃない?と言ってくれた

 

確かに、私の仕事自体は具体的な有体物を生み出してはいないが、繋がり繋がって生み出しているかもしれない。そう思うと少し励まされた気分である

 

少し、自分の仕事に自信を持てるような気がする

読書録|『ガニメデの優しい巨人』

先日投稿した『星を継ぐもの』の続編、ジェイムズ・P・ホーガン著作の『ガニメデの優しい巨人』を今回は紹介する

www.tsogen.co.jp

 

前作『星を継ぐもの』では、木星の衛星であるガニメデで発見された宇宙船から、太古の太陽系に謎の異星人種族ガニメアンが存在していることが判明した

今作では、なんとガニメアンの生き残りを載せた宇宙船が2,500万年の時空を経て、現代の太陽系に帰り着く。ハント、ダンチェッカーら科学者たちは生きたガニメアンと遭遇し、彼らとの交流の中で人類発祥の謎に迫っていく・・・というのが大きなあらすじである

 

前作同様、SFでありながらも現実とSFを織り交ぜた緻密な論理展開が為されており、やや冗長に感じるときもあるが、楽しんで読むことが出来た。特に、かつて木星と火星の間に存在した(※小説内の設定)ミネルヴァという惑星の成り立ちから、ガニメアンの気質や生物としての特徴を解説するシーンは、非常に納得感があり感心した

 

途中から登場する、ガニメアンが有する万能AI「ゾラック」もまた、良い役割を果たしてくれる。初めは言語の壁を取り払うことが主な機能であったが、地球言語を覚える中で文化も理解して、本当に人のような会話をし始める。なかなか味わい深いキャラクターだった

※昨今、生成AIが雨後の筍のように登場している。使っている感じ、現状プロンプトに対して一般論を返すことが限界のようだが、近い将来「ゾラック」のように文化・文脈を理解してまるで人のように冗談を言ったり、気を遣えるAIになるのかもしれない

 

物語の最後に謎が残されて終わったので、次作の『巨人たちの星』も早速読んでみようと思う。平和的で感動的な作品であり、読めば名作たる所以も分かると思うので、興味があればぜひ読んでほしい

食レポ|The garlic dining はじめの一っぽ@神楽坂

月曜日に、The garlic dining  はじめの一っぽに行ってきた。名前の通り、ニンニクを主体としたイタリアンベースの料理店である

飯田橋駅から神楽坂通りを登りきったところの右手にある通り「本多横丁」を進んだ先に位置している(地図 : はじめの一っぽ (Hajime no ippo) - 飯田橋/にんにく料理 [食べログ]

 

まずお店に入った瞬間、ニンニクの芳ばしい香りが鼻に入ってきて食欲をそそられる。青森県天林産「福地ホワイト六片」と呼ばれるニンニクを使っているらしく、比較的マイルドな香りが特徴的らしい。実際、普段のニンニクであれば自分でも気づくほどに口からニンニク臭がするものだが、今回はあまりニンニク臭を感じなかった(鼻が慣れて気づかなかっただけかもしれないが)

 

頼んだメニューは、鮮魚のカルパッチョ、キノコのアヒージョ、ポークステーキ、ビーフステーキ、ラザニアといった具合だ。どのメニューにもニンニクがふんだんに使われており、旨味が爆発していた。個人的に、ポークステーキはニンニクと豚の甘みのある脂身がマッチしており特に美味しいと感じた

あと、初めてニンニクの丸焼きというメニューを見た。もちろん注文した。アツアツでホクホクしており、よりニンニクの香ばしさが高まっており、非常に美味しかった

 

正直1年分くらいのニンニクを食べたんじゃないかと言うくらい、ニンニクを食べた気がする。またぜひ行きたい

 

余談だが、家に帰ると妻からめちゃめちゃニンニク臭いと言われた。そのため、火曜日は出勤せずリモートワークをすることになった。もし「The garlic dining はじめの一っぽ」に行かれる際には、翌日誰にも会う予定がないことを確認した方が良い