宝くじの利用者を増やすことは出来るか ~その1~

今日は所用のため池袋に行ってきたのだが、池袋駅東口に行列が出来ており、行列の先を見ると年末ジャンボ宝くじの幟が立っていた(電車内でよく見かけるジャンボ宝くじである)

列に並んでいる人々を見ると、年配の方々ばかりだ。今後の生活不安があるのだろうか。どうせ当選確率は非常に低いんだから、お金がもったいないんじゃない、と内心思いながらもその場を後にした

 

というわけで、今回のテーマは宝くじである。年配の方々、特に男性が多めのように見受けられたので、実際の購入者層はどうなのだろうかと調べてみた。こちらは宝くじ公式サイトで公表されている「宝くじ購入経験者」のデータである

https://www.takarakuji-official.jp/about/research/002.html

※念のため調査サンプルの定義も抜粋しておく

調査票を郵送し、その回答は郵送又はインターネットとする自記式へ変更を行い、全国47都道府県に居住する満18歳以上の男女から無作為に抽出した12,590人に対し、今年の4月から5月にかけて調査を行い4,519人から回答を得ました(回収率35.9%)。

やはり現場で見たのと同様に、50歳以上が購入の中心層であり、60歳以上は半数近くが1年間に1度は購入経験があるようである

 

ちなみにこちらは、総務省が公開している宝くじの市場規模推移である。2005年度の11,047億円をピークに2020年度には8,160億円にまで減少している。内訳をみるとジャンボ宝くじが減少しており、ロト6に代表される数字選択式は4,000億円程度で維持している

https://www.soumu.go.jp/main_content/000781378.pdf


調べて初めて知ったのだが、宝くじは自治体が発売元らしく、宝くじの購入金額は自治体の重要な収入源になっている。宝くじの市場規模が減るということは、自治体の収入が減るということである。なので総務省で検討会が発足され、減少に対する対策が練られているようだ。まぁ対策と言ってもCMといった販促活動くらいしかないと思うが

https://www.soumu.go.jp/main_content/000138279.pdf

 

さて、ここまで調べたことをまとめると、

  • 宝くじの主要な購入者は50代以上、特に60代/70代以上である(逆に10代~30代の購入者は僅か)
    • (言い方悪いが、近い将来に退出される方々がメイン購入者である)
  • 宝くじの売上金額が減少傾向。近年は下げ止まりしている状況
  • 自治体としては、宝くじは重要な収入源のため「健全な娯楽」として認知され、購入者の維持・拡大を図りたい

と言うことである

 

以上をまとめると、皆さんもよく見るであろう最近の宝くじCMの意図が見えてくる。ジャンボ宝くじのCMキャラクターは妻夫木聡吉岡里帆、成田亮、矢本悠馬今田美桜である。さらに別のCMでは、神木隆之介佐藤健上白石萌音、ワンピースのルフィなどが起用されているwww.youtube.com

お察しの通り、比較的若年層からの人気の高い俳優・女優・キャラクターが起用されている。これの意味するところは、自治体としては若年層への宝くじの浸透を図っていきたいということである

 

さて、この対策は果たして十分だろうか。筆者自身は若年層に位置づけられるものの結局宝くじは買っていない。当たらないし金の無駄だと考えているからである。加えて、本日の宝くじの行列を見ても若年層は僅かにいるだけである。つまり、自治体の狙いは達成できておらず、対策は不十分と推測できるだろう

 

さて、今回の記事はここまでとする。次回以降は、どうすれば若年層の宝くじ利用者を増やすことが出来るか(そもそも可能なのか!)?を考察していこうと思う